新年の抱負をSNSでシェアする人は目標を達成できない科学的な理由
新しい年を迎えた頃にSNSを開くと、何かと多くの人の”今年の抱負”がタイムラインに流れます。
多くの人は実家にいて持て余す暇な時間を使って、今年に達成したいことを考えて投稿しているのでしょう。おいおい1週間前に振り返った反省とかまとめはどうした、もう忘れたのか?みたいな一貫性の無いことを書いている人は置いといて。笑
ただあなたが投稿したその目標、おそらく達成できません。
無責任なことを言うなって?無責任ですけど、あながち間違えていません。ここ100年近くに及ぶ心理学の研究がそれを証明しています。
これは単に目標の立て方が悪いとかいうことよりも、SNS等でシェアすることに問題があるのです。
目標を人に言う人は目標を達成できない?
Facebook や Twitter に新年の抱負を投稿する人の99%は自己満足でしょうが、残りの少しの人は友人に目標を公開することで自分へのプレッシャーにしようと考えている人もいるのではないでしょうか。
自分へのプレッシャーを掛けることは大切ですが、本当にそれであなたに目標を達成しようというプレッシャーが掛かると確信してやっていますか?多くの人はこの部分に自信を持てないのではないでしょうか。
この部分に確信を持てなければ、”新年の抱負のシェア”は単なる人に自分の目標を言いたいだけだと思った方が良いと思います。
ピーター・ゴルウィツァーという心理学者が目標を周りに言うことで、目標を達成したかのような満足感が得られ、結果的に目標を達成できることを報告しています。
目標を人に言う危険性
ピーター・ゴルウィツァーは163人を対象に次のような実験を行いました。まず163人全員に目標を立てさせます。そのうちの半分には皆に対してその目標を宣言させ、残りの半分にはそのような行為はさせません。
その後45分間時間を与え、その目標に努力すること、でもその作業はいつ辞めてもいいと伝えます。すると、目標を宣言したグループは平均して30分を過ぎた頃作業を辞めてしまいますが、目標を宣言しなかったグループは45分目一杯作業しました。
最後にどの程度目標に近づいたかを尋ねると、30分程度しか作業していないにも関わらず、目標を宣言したグループの方が目標に近づいたと回答する人が多かったのです。これは目標を宣言することによって、あたかも目標に近づいてしまったと勘違いしていることになります。
いくら目標を宣言することが気持ちよくても、それを実際に達成できなければ意味がありません。
結局どうすれば良いのか
FacebookやTwitterは多くの人に見られる環境で、そこに自分の自慢話とか目標とかを書き込むと大きな快感が伴います。それだけにこういう場で目標を書いてしまうと、それだけで大きな満足感が得られ、実際に努力するときの支障になりかねません。
実際はあなたもSNSに投稿したことが何故かその後やる気が起きないということを経験したことがあるのではないでしょうか。本当に大事な目標は隠しておく。
こう書くと陰湿ですが、聞かれたときだけ答えれば良いわけで、多くの人に目標をじまんするのはやめておいた方が懸命のようです。