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【書評】ちきりんさん『自分のアタマで考えよう』を超オススメする理由

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2016年の第1冊は、ちきりんさんの著書『自分のアタマで考えよう』だった。一言で感想を書くなら、周りに何故か1つの情報からすごく深い考察を一瞬で導き出す人がいるが、そういう人のアタマの中がどういう構造になっているかを知りたい!自分もそうなりたい!という人には超オススメの1冊だ。

ブロガーの書いた本って…

ここ5年くらいのビジネスマン向けの著書の傾向として、”○○力”と関した本が大量に売られている。思考力・鈍感力・集中力・老後力…挙げたらキリがない。いつもそんな本が平積みにされているコーナーを片目に、こんな本でそんな力がつくわけねーだろと思って手にも取らなかったのに、ちきりんさんの”思考力”とでも訳されそうな『自分のアタマで考えよう』というタイトルの本を取ったのは、たまたま寄った本屋でのことだ。

 

私はブロガーなる人の存在があまり好きではない。ブログを書く人が嫌いなのではなくて、自称”ブロガー”が好きではないのだ。イケダハヤトさんが、このエントリーでこき下ろされていたので、イケダハヤトさんのブログも読んだことは無かったが、やはりブロガーは関わらないでおこうと思っていた。

そんな折イケダハヤトさん同様、有名ブロガーとして耳にしていたちきりんさんの著書を見つけたのでたまたま手に取ったのだ。

(恥ずかしながらちきりんさんの文章はこの本が初めてです)

 

ちきりんさんの『自分のアタマで考えよう』はなぜ買いだったのか、似たような類の本と比較しながら考えた。

 

ノウハウ本の致命的な欠陥

ところで、私が”○○力”の類の本を好かないのは、そこに思考のプロセスが含まれていないからだ。ノウハウだとか、筆者の結論のようなものだけが書かれているものがほとんどで、その筆者がその結論に至った思考のプロセスが抜けている。

即ち、ノウハウ本は筆者が獲得した素晴らしい結果(ノウハウ)のみ書かれているので、読者がそのノウハウを自分の状況に応用するためには、その結果に至るために筆者が経たものと同じような経験をしなければならない。しかし、多くのノウハウ本ではその点が欠落している。これがノウハウ本の致命的な欠点だ。

 

その点、ノウハウではなく思考のプロセスについて書いてある本は強い。上にも書いたように、行動を通じてのみ自分の血肉となるものが得られるが、その時に思考のプロセスがわかっていればこのプロセスを自分に状況にカスタマイズして応用できるからだ。

思考のプロセスが書いてある本は、筆者がそこへ至ったプロセスを書いてある=本の内容を自分のものにしやすい、ということになる。

 

強めに言うと、ノウハウ本は問題の答えだけを投げる教師、思考のプロセスが書いてある本は問題の解き方を教えてくれる教師、ということができよう。どちらが有用かは論を待たない。

(念の為に。私はこれまで両手で数えきれない程のノウハウ本を読んできました。)

 

自分のアタマで考えよう

表紙には”知識にだまされない思考の技術”と書いてある。個人的にはあまり良くない副題だと思う。(もしかしたらこれが売れるのかもしれないけど)

この本の最大の魅力は、独創的と言われるブログをちきりんさんがいかにして書いているかという、アタマの中を見れる点だと思う。

本の内容としては、まず最初の数章で普段の生活でいかに自分のアタマで考えていないか、そして考えるということを誤解しているかが説明されている。その次の数章で考えるためのメソッド、そしてその次の数章で考える際に注意することが。そして最後の数章と続く。

私の稚拙な文章力ではこのような説明しかできないが、全体を通していかに自分のアタマで考えたつもりになっているだけで実際のところ考えられていないかがわかる内容となっている。

 

この本は2種類の読み方ができると思う。1つ目がただの考え方を学ぶための本として。もう1つの読み方はちきりんさんが考える時にアタマの中をどのように整理しているのかを知る方法としてである。

2つ目の読み方を強くおすすめする。本著にはちきりんさんが考えたプロセスを豊富な具体例で紹介している。その具体例を自分でも考えて見ることによって、自分の思考において抜けているプロセスを導き出すことができるのだ。

 

この本を読むことで、ちきりんさんの思考を追うことで、自分のアタマのなかがいかに整理できていないか、いかに自分のアタマで考えられていないかがわかるだろう。

 

序章と終章がこの本のエッセンス

この本で最大に価値があるポイントは序章と終章であると思う。序章では普段いかに自分のアタマで考えられていないかを認知させてくれる。多くの人は情報を知って分析することを考えることだと勘違いしているというのだ。

そして終章では、そこまでのページで書かれている”考え方”が実際に日常生活でどういう位置づけになるのかが書かれている。つまり、思考を武器として使う方法のエッセンスというか考え方が書かれている。

 

周りに何故か1つの情報からすごく深い考察を一瞬で導き出す人がいるが、そういう人のアタマの中がどういう構造になっているのかを知りたい人にはうってつけの1冊である。

 

自分のアタマで考えよう [ ちきりん ]

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